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『ヒックとドラゴン』
2012/01
作品名:ヒックとドラゴン スペシャル・コレクターズ・エディション
発売元:パラマウント ジャパン
価格:2,625円(税込) 発売中
TM & (c) 2011 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.
映画が昨年大ヒットした、またアニメ映画部門の数々の賞を受賞した秀作である。バイキング一族の少年・ヒックは、ドラゴンの大群が村に襲来したある未明、伝説 のドラゴンを撃ち落すことに成功した。そして傷ついて飛べなくなったドラゴンを森 の中で見つけるのだが・・・
しっかりした脚本、高度なCG技術を駆使した精緻な映像、ダイナミックなサウンド で、大人も十分に堪能できる。
【サラウンドサウンドの聴きどころ】
まず初めに、オリジナル(英語)はロスレスのドルビーTrueHD5.1chだが、日本語を 含む他言語吹替はドルビーデジタル5.1chとなっているので、音質の良いオリジナルの方で鑑賞したい。
ドラゴンとのアクションシーンが数多くあり、移動感、スピード感、ドラゴンの吐く炎の重量感のある音などインパクトがある。チャプター5では、雷鳴がサラウンド感を伴って会堂に響き渡る。チャプター9,11のドラゴンに乗って空を飛ぶシーンは爽快。風を切る音、翼の音などと実写と見まがう美しい映像が相まって、迫力がある。チャプター11,14では、ドラゴンの島へ向かう途中で不気味な鳴き声に包まれる。クライマックスのチャプター15では怪物が出現し、重低音が轟く。
その他、勇壮なオーケストラBGMが映画のスケール感を高めている。また非常に細かい物音まで映像と完璧にシンクロしながら録音されており、サウンドデザインに抜かりが無い。

『ブラック・スワン』
2011/11
3枚組ブルーレイ&DVD&デジタルコピー(ブルーレイケース)〔初回生産限定〕
価格:4,190円(税込) 発売中
発売・販売元:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
(C)2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
今年の話題作のひとつ。
バレエ「白鳥の湖」のプリマに抜擢された可憐なバレリーナが、 純潔の白鳥だけでなく魔性の黒鳥も演じなければならない、という難役に挑む。 しかし黒鳥の役作りの困難さ、ライバルの出現などの試練が立ちはだかり・・ バレエを題材に人間の深層心理に迫る スリラーとも言える作品である。
アカデミー賞主演女優賞に輝いたナタリー・ポートマンの渾身の演技や、 巧みなサウンドデザインで、観る者をスリリングな世界に誘う。
【サラウンドサウンドの聴きどころ】
多くのチャプターでバレエ練習場のシーンが登場するが、伴奏ピアノの響き、 部屋の空間感など、臨場感が大変リアルなのは5.1chならではと感心する。
チャプター3,7では、バレリーナの回転に合わせるように伴奏ピアノが リスニングルームの中を回り、目が回るよう。観る者をバレリーナと一体化させる。
いくつかのチャプターではバイオリンも演奏されるが、音色がとても美しい。
終盤のチャプターでは、チャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」の 迫力あるオーケストラ演奏が、サラウンド感豊かに楽しめる。
大太鼓の超低音もきっちり収録されている。
直接音とホールトーンのバランスの取れた響きは上質で心地よい。その他、効果音としての重低音などが所々に挿入されたり、 文字通り痛々しいシーンではあまりに生々しい音に思わず眼をそらしたくなる。
派手なアクションシーンこそ無いが、綿密にサウンドデザインされている。

『アイデンティティ』
2011/10
発売・販売元:株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
価格:¥2,500(税込)
何と言えばいいのだろう。これから見る人のために一応サスペンス作品としておく。今までになかったどんでん返しに度肝を抜かれる。
豪雨により陸の孤島と化した、とある片田舎のモーテル。ここで次々と不可解な殺人事件が起こる。よくある話のようだが、前半に仕掛けられた伏線が後半からの驚愕の事実に繋がる。序盤ではスピード感のあるフラッシュバックで一気に作品に引き込まれ、気がつけばカメラマンの視線でドラマに浸かっている。計算しつくされた脚本とカメラワーク、サウンドデザインに敬服。ほぼ全編で大雨が降り、雷鳴が響いている珍しい作品。ホームシアターで観ると怖さが倍増し、スリラーやサスペンス作品にも効果的であることがわかる。
【サラウンドサウンドの聴きどころ】
前後のスピーカから雷が鳴り、冒頭から視聴室に豪雨が降り出す。5.1chならではの臨場感に一瞬にしてドラマに引き込まれる。
チャプター5、人間は後ろからの音に恐怖を感じるという特性をうまく利用し、小さな鈴のサラウンド音に背筋が寒くなる。フロントだけのTV音と比較するとその効果が良くわかる。
チャプター12では燃え盛る炎と雨音、消火器の音が重なり情報量が多くなる。ロッシーのドルビーデジタルと比較するとリニアPCMの情報量の多さが良くわかる。一言で言えばリニアPCMはリアル。ロッシーでは雨音が台詞にかき消され、消火器の音が圧縮によりスペクトラムを失い嘘っぽい。その後放り出された消火器が地面に転がる音はリニアPCMでは細部までしっかりと聴こえる。全編を通してリニアPCMでは台詞に立体感があり、雷のエッジが立って重心が低く、近くで鳴っているように聴こえる。さらに良いシステムでは雷が天井付近から聞こえる。多分、本物の雷に近い音のため、人間の経験則から実際のスピーカよりも上で鳴っているように感じるのかもしれない。
また、この映画は7.1chよりも5.1chで聴いたほうが臨場感は出るようだ。7.1chでサラウンドスピーカを両サイドから後方へずらすと5.1chよりも臨場感は増すとは思うが、興味のある方はお試しあれ。

『アイアンマン2』
2011/09
作品名:アイアンマン2
ブルーレイ&DVDセット(3枚組)
Blu-ray発売元:パラマウント ジャパン
価格:4,998円(税込) 発売中
前作で自らがアイアンマンとカミングアウトした大企業CEOの続編。いろいろな敵が攻撃してくるというお決まりのストーリーながら、映像の美しさと重低音の迫力に引きこまれる。今回からスカーレット・ヨハンセンが参加し、生身のアクションを披露している。彼女の演技力は多くのドラマ作品で定評があるが、今回はそのスタイルの良さと、ほとんど吹き替えの無い高度なアクションを披露し、新たな一面が見られる。また、エンドロールを最後まで見た人だけが次回作?へのヒントが得られるしかけになっている。メイキングも◎。
【サラウンドサウンドの聴きどころ】
全編にわたる重低音に驚かされる。かなり周波数が低いので機材の設定、周りへの配慮に注意。また、トンネル、軍事用格納庫、公聴会、実験室、ステージ等のエコー音が記憶に残る。丁寧なサウンドデザイン。
チャプター2、ジェット音と花火の重低音が下腹に響く。3次元プロジェクターでは操作音のサラウンド感も聴き所。チャプター5、モナコGPではF1の排気音、移動音と共にトンネル内のエコー感が新しい。また、変身時の金属音と画像の一致、電子ムチの移動感も秀逸。チャプター9ではクイーンのBGMの中、スーツバトルが重低音と共に贅沢に楽しめる。チャプター14,15ではロボットの重量感、ジェット音や銃弾のサラウンド感・移動感がこれでもかと続き、シアターの醍醐味が堪能できる。

『キック・アス』
2011/08
「キック・アス」Blu-ray(特典DVD付2枚組)
5,985円(税込)好評発売中
発売元:カルチュア・パブリッシャーズ
販売元:東宝
(C)2009 KA FILMS LP. ALL RIGHTS RESERVED.
ブラッド・ピット製作、全米初登場No.1になったアメコミ原作の作品。
街の治安のため立ち上がったコスチューム姿の高校生、そこに麻薬組織に立ち向かう親子が現れ・・・。とにかく、かわいい女の子が凄いアクションで悪の組織を切りまくり、撃ちまくるところに驚きと新鮮さを感じる。生臭い場面もあるが、「真面目に見ないでね」と言っているような冒頭シーンのためか、後味は悪くない。父親役にニコラス・ケイジ。コミック原作と言っても過激なシーンや台詞のためかR15指定なのでご注意を。
【サラウンドサウンドの聴きどころ】
バタフライナイフ、両刃なぎなた、オートマチック拳銃、ガトリング銃、果てはバズーカ砲とあらゆる武器が登場する。さすがアメリカ、武器の音が切れよく非常にリアルに感じる。飛び交う銃弾のサラウンドも特筆。そこに流れるBGMはコメディ調有り、シリアス系有り、マカロニウエスタン系有りと多彩で、これらも生臭さの臭い消しとなっている。
チャプター7、火事のシーンは炎が360度サラウンドし、ロスレスサウンドとともにシアターならではの臨場感に包まれる。チャプター4、テレビから流れるニュースのシーンでは、テレビの動きとそこから発するテレビの音が完璧に追従する。このことからも全体が丁寧に録音されているのがわかる。

『アンストッパブル』
2011/07
アンストッパブル ブルーレイ&DVDセット
発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント
発売中【初回生産限定】 ¥3,990(税込)
(C)2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
実話をベースにした列車事故の物語。2重3重の安全策があっても人間が介在すると、「絶対」とは言えない怖さを感じる。無人の貨物列車が危険物を積んで暴走する。いたって単純な映画のように思えるが、列車が登場するやいなや映画に引き込まれてしまう。久々に手に汗を握ってしまった。これが映画だ!と素直に喜べるエンターテイメント作品。ほとんど全てのシーンがCGなしと知って見ればさらに緊迫感が増したかもしれない。赤と青の車体の対比。トップガンのヘルメットの色と同じでわかりやすい演出。トニー・スコット監督のこだわりか。
【サラウンドサウンドの聴きどころ】
チャプター2、低速の貨物列車の重低音と機械の擦れ音がサラウンドされており、それに包まれると不安と恐怖を感じる。「普通の」貨物列車が巨大なモンスターのように恐ろしく見え、ドキドキ感が止まらない。
列車同士のすれ違い、ヘリからの暴走シーン、無人列車に乗り移る場面等々、ノンストップのカット割りとカメラアングル、重低音、移動音、さらにそれにピッタリのサラウンド効果音がうまく組み合わされて重量感が違う、緊迫感が違う。クライマックスでは穀物の飛び散る音がサラウンドされ一粒一粒が痛い。ヘリの音、列車のレール音とともにロスレスならではの情報量に圧倒される。

『バーレスク』
2011/06
ブルーレイ・ディスク『バーレスク』
発売元:ソニー・ピクチャーズ エンターテインメント
価格:¥3,990(税込)
夢を追いかけ片田舎から都会のショークラブに来た女性のサクセススト-リー。よくある話だがその店バーレスクの店主がシェール、田舎娘がクリスティーナ・アギレラとなれば普通の映画ではないな、と感じる。
シェールを見てこの映画がいつ撮られたのかが気になった。映画「月の輝く夜に」のイメージまま?に現れたからだ。更に歌声を聴いて、え?何歳(失礼)?とまたもや混乱してきた。また、この作品でシェールと同じく歌手&女優となったクリスティーナ・アギレラ。その小さな体から色々な声が繰り出される。その天性を体感していただきたい。勿論キレのいい踊りも楽しめる。周囲を固める男性陣も素晴らしいキャスティングで、これによってステージ中心とならず、映画全体がいいバランスを保っている。
【サラウンドサウンドの聴きどころ】
冒頭、弾力のある分厚いギター音で期待が高まる。チャプター2では、シェールの歌声と小気味良い分厚いドラムスのリズムがポイント。チャプター10、16でも360度からドラムスが鳴り、サラウンドスピーカの低音帯域が延びたのかと勘違いする。サブウーハを切ると予想通りの細い音になり、バスマネージメント(低音成分をサブウーハに受け持たせる方式)がうまくセッティングされていることがわかる。
チャプター1、7ではC・アギレラの野太いアカペラが聴き所。体の中からストレス無く湧き出てくる歌声に、安心して聴き入ってしまう。声だけを聴いていると、かなり大柄な人が歌っているよう。その他の場面では全く異なる繊細な歌声も楽しめ、人気の理由が理解できる。ステージシーンは歓声もサラウンドし、まるでバーレスクにいるような楽しさを味わえる。ホームシアターで見たい作品。

『9<ナイン>~9番目の奇妙な人形~』
2011/05
『9<ナイン>~9番目の奇妙な人形~』
発売元:ギャガ
販売元
:ハピネット
価格:¥4,800(税抜)
(c) 2009 Focus Features LLC. All Rights Reserved.
奇才ティム・バートンのプロデュースにより、大学の課題で制作された短編映画が元になったという珍しいCGアニメ作品。時代は不明だが人間対機械の戦争終焉から始まる。9体の人形を中心に展開していくが、彼らが何のために作られたのか、機械との戦いを通じて解明されていく。
画像も音も素晴らしく、いっきにこの世界に引き込まれてしまう。原語吹き替えも名優揃いのためか不自然さ無く楽しめる。メイキングも充実。
【サラウンドサウンドの聴きどころ】
どのチャプターでもサラウンドの醍醐味を味わえるため、良い意味で聴きどころを探すのに苦労する。チャプター1の部屋に吹く風で背筋が冷たくなる。いきなり!?という感じでここからは聴きどころのオンパレード。全体を通じて、風による温度感、室内の空間感、音の分厚さ、金属のすれ音に非凡さを感じる。細かいところでは杖の先の飾りのすれ音なども極めて自然。非常に丁寧にサウンドデザインがなされている。またドルビーTrueHDってこんなに重厚だったのかと驚かされる。これらが画像の精密さと共に臨場感に繋がっている。今回サブウーハはAVアンプの自動設定より約8dB程度下げてみた。低音が締り細かい音まで聴くことができる。が、部屋も含め個々の差があるので参考とし、自身の好みを探していただきたい。

『ハートロッカー』
2011/04
『ハートロッカー』
発売元:ブロードメディア・スタジオ(株)
販売元:(株)ポニーキャニオン
価格:¥4,700(税抜)
2010年のアカデミー賞6部門受賞作品。
イラクでの爆弾処理をハンディカメラの多用によりドキュメンタリータッチで描いた作品。処理作業だけでもかなりの恐怖だが、周りに生活する市民が敵か味方かわからない中での作業には、さらなる恐怖が加わる。派手な銃撃シーンよりも、一発の銃弾や爆発音の前後に底知れぬ恐怖を感じさせる作品。
【サラウンドサウンドの聴きどころ】
チャプター1で誰が敵かわからない恐ろしさを描き、これが以降の緊迫感の布石となる。チャプター3では遠くからの銃声や頭上を飛び交う戦闘機が戦争の緊張感を誘う。爆弾処理作業に向かうシーンでは地にもぐるような重低音が、これからの予想のつかない恐怖を感じさせる。この恐怖を味わうには、かなり低い再生周波数能力を持つサブウーハが必要。その直後の発煙筒のトランジェントにも驚かされるが、ここではスピード感の優れたシステムが要求される。ヘルメットの中の息使いがサラウンドし、まさにそこを歩いているかのような錯覚に陥る。これらはグレードの高いシステムで聴きたくなる場面。
さらに突然飛び込んでくるタクシーの切迫した音がドライバーの尋常ではない気持ちを表す。対峙する処理班とタクシー。ここでの「間」が次に何が起こってもおかしくなく、これがイラクでの恐ろしさか、と感じさせる。ここの重低音も効果的。再生できるかなと思わせる低音だが有ると無いとでは大違い。逆に、オートマチックの拳銃音ではサブウーハの量が多すぎると、銃の金属どうしの摩擦音が聞こえずスピード感がスポイルされる。サブウーハのセッティングが難しいと感じた場面。
また、発射後1、2秒してからの着弾シーンや、爆発後暫くして降りかかってくる土砂の音の時間差がリアルな距離感を示し、さらなる臨場感を誘う。

(c) copyright Japan Audio Society All Rights Reserved.














